集合住宅における訪問歯科
高齢者が増加して2000年4月の介護保険法施行に伴い、自宅に訪問しての介護の一環としての歯科診療が注目されるようになりました。
訪問歯科に取り組む歯科医が増えるとともに、集合住宅における訪問診療が話題になりました。
訪問歯科診療の普及には、その環境を整えることが大事です。
口から食べることが診療の原点でニーズにこたえた口腔医療がなされるように、家族・介護事業者・ヘルパー・医師などが手を取り合って進めていく必要があります。
多くの患者さんがいる集合住宅は、そのような意味で介護に関する知識を広める場として最適です。
自宅に行かなくても、共有スペースに歯科診療ができる設備を設けて診療ができれば多くの寝たきりの患者さんや介護を要する方の助けになることが出来ます。
噛むことが出来ることは生きることにつながるので、口腔内を衛生的に保つ予防的処置をとることが高齢者には大切です。
自分の歯がなくなっていくと食事なども自然に変わっていくので、それに合わせた歯の保全が必要です。
通院が困難な人の強い味方、自宅で治療が受けられる訪問歯科
訪問歯科は、体が不自由で自宅が高層階などにあり通院が困難などといった人が受けられる治療です。
その治療を受けられる範囲は、通院自体が難しい人に限らず、病院の待合室で長時間待っていることが困難な人、通常の椅子に座っていられない人などもその対象になります。
訪問歯科を利用する条件は身体的な条件だけではなく、自宅から歯科医院の距離が半径16キロ以内という制限も定められています。
さらにそれに加えて歯科医院自体が独自に診療エリアを定めている場合がありますので、その医院が自分の家の対応地域に入っているかという事もきちんとチェックしておきましょう。
また訪問歯科の治療を受ける際に気になるのは料金です。
自分は比較的マンションの高層階に住んでいるので、交通費などの費用が発生してしまうのではないかという不安を持つ人もいるかと思います。
基本的に訪問歯科は交通費や出張費がかからない所がほとんどで、医療保険と介護保険の範囲内で治療できる所が多いです。